世界の童話、民話を私の解釈で描きます。既存であろうが、私の創作だろうが、「おはなし」はわたしの制作テーマの動機になります。
スケッチは透明水彩や色鉛筆で描くことが多い。ガラスの表面に彫ることを想像しながら。
私の赤頭巾は、その時の私の心理で描くと決めています。健気な女の子の時もあれば、狼を凌ぐワルの時もあり、企みを持つ顔をしていたり、ただもう遠くへ逃げたい!の目をしていたり。その時々の私の心理として、展覧会ごとに1点は出展することにしています。
私の赤頭巾は、その時の私の心理で描くと決めています。健気な女の子の時もあれば、狼を凌ぐワルの時もあり、企みを持つ顔をしていたり、ただもう遠くへ逃げたい!の目をしていたり。
その時々の私の心理として、展覧会ごとに1点は出展することにしています。
グラスを目線に水平にして、手前に狼を据えると、向こう側の赤頭巾が、狼の口の中に入るように描いてあることが多いです。赤頭巾側から見ると、赤頭巾の瞳の中から狼を覗くことができる。赤頭巾の、異界への憧れとそれに伴う代償は、私のテーマのひとつです。
写真:小瀬佳伸
仔ヤギたちが頭が悪くて歯がゆい。
六匹の大騒ぎの仔ヤギと、一匹の達観している仔ヤギをよく描く。
とにかくツバメが気の毒。ツバメを描くしかないといつも思う。
ロシアのおはなし。
親子熊の可愛らしい暮らしと、突如現る傍若無人な人間の女の子の対比。女の子は何を象徴しているのでしょう?
3匹のくまの持ち物などを3回ずつ繰り返して説明するところは、みんな大好きだと思う。
民話には教訓や戒めがつきもの。
おとなから寝物語に聞くおはなしは、子どもたちを脅かすには充分な恐ろしい結末ばかりであったはず。
ところが童話になって残る時には、清潔で美しいストーリーに変えられて、本来のテーマすらわからなくなってしまうことがよくある。
先人の伝えたかった本当の意味と、普遍的な人間の持つ悩みや教えを読み解くのが面白いと思っています。