目出度い
Portfolio
目出度い
日本の風習を描くシリーズです。
春駒、張り子の犬、鯛車などの昔の玩具は、
子供の成長を願い祝うものでもありました。
大津絵
大津絵は、江戸時代初期から滋賀県大津の民族絵画で、旅の護符。なかでも、人気のあった十選を「大津絵十種」といい、全国的に広まり、高い人気と知名度があったそうです。いくつかをご紹介しましょう。日本の庶民の変わらぬ願いが伝わり、それでいてユーモラスです。
雷公の太鼓釣り
鬼が雷雲から身をのりだし、落とした太鼓を釣ろうとする図。旅の雷除けのお守りでした。
瓢箪鯰
(ひょうたんなまず)
瓢箪で鯰を押さえ込もうとする猿の浅知恵。転じて、諸事円満に解決し、水魚の交わりを結ぶ願いが叶う。
座頭(ざとう)
「恐るべし心の締まり緩ければ、つい畜生にくわえられるなり。犬などになぶらるるのも何故ぞ、ただ本心の目が開かぬ故。」座頭は盲人の琵琶法師。転じて、どんな時も倒れないというお守りです。
藤娘
大津絵の「かつぎ娘」が歌舞伎舞踊の演目「藤娘」に。愛嬌加わり、良縁を得るというお守り。今でも大人気の演目です。
鬼の念仏
「真なき姿ばかりは黒染の心は鬼に現れにけり」お坊さんのような格好をしていても、中身は鬼の場合もあるという注意喚起。転じて小児の夜泣き止め、悪魔を祓うお守りでもある。
見たままの意味だけでない、
願いやお守りのダブルミーニングがタノシイ。
そんな隠された想いがあると、俄然描きたくなるのです。